2010/01/30

年利0.4%、3ヶ月定期に100万円、利息はいくら?

経済を脳死させないために「金利教育」の強化が不可欠だ - 磯崎哲也
     (言論プラットフォーム・アゴラ より)
小数の掛け算ができない人はほとんどいないはずだが、「年利0.4%の3ヶ月定期に100万円を満期まで預けるといくら利息がもらえますか?」という文章題が解ける人はたぶん日本人の1割未満なんだろうという気がしてきた。
筆者の磯崎氏が上述の内容をツィッターでつぶやいたところ、任意であった回答のうちでも「半分以上の人が間違っていた」そうで、実際に9割の人はとけないのではないか、としている。
エントリー中では、それを踏まえて、教育課程での「金利教育」の重要性が訴えられている。
(答えは上記リンクを辿って下さい。因みに私は、筆者の期待しとおりのシンプルな答えを出しました。)

ちょっと、衝撃的ですね。
金利以前に常識の問題の範疇な気もします。
まぁ、勘違いや間違いをしやすいところではあるかもしれないけれど。


「金利」それから広く金融に対する感覚を養うことは、時代の要請だろう。
自分の幼少時代は高度経済成長期末期だったのだけれど、銀行にお金を預けておけば事足りる、株や債権に手を出すのは邪道だ、といった雰囲気を皮膚感覚的に感じていた記憶がある。
そして、相当変わってきたけれど、依然そうした雰囲気は残っているように思う。
しかし、ここ20年近く日本の経済成長率は年率1%に満たないような低成長が続いている。
銀行の預金金利も目を見張るような低金利が続いていて、こんな状況では銀行に預金しておく意味は、資産運用の観点からは、まったくない。
銀行の金利が数%あった時代と、0%近傍に張り付いてる時代では、当然行為戦略の最適解は変わるだろう。
個人資産に占める預金・現金の割合は日本人は5割越え、アメリカが10%台、欧州のメジャーな国は20-30%ぐらいだったと記憶している。
決して欧米の真似が必ず良いとはいはないが、預金金利が低く、その上、自国の経済成長が望めない中では、個人にとっても投資や資産運用の位置づけは当然重くなるだろう。
ではるならば、教育の現場で、そのリテラシー、金融的なセンスを教えることは、必要だと思う。
教える側の先生が高度成長期時代の感覚をひきずってないか、そうした感覚があるのか、教えられるのかは、微妙な問題ではあるけれど。

ところで、こういう話がでると、直に現在の学生の学力低下とか、現代人の常識力の低下と結びつける人がいるけれど、
では、20年、30年前に同じ質問をしたと考えると、解ける割合はそれほど変わらないのではないか。
記憶してるところでは、4年生大学の進学率は90年頃に25%、ここ数年は50%超ぐらいだったと思う。

単純に言って、規模が拡大すれば、当然ながら「大学生」の学力低下は起こるだろう。
他方で、人口比あたりで、「大学生世代」の学力を90年頃と比較するなら、当時の大学生全体と現在の大学生の学力上位半分を対象に比較しないと意味がない。
そう考えると、感覚的にはそれほど学力は低下していない。
(どころか、むしろ、話に聞く高度経済成長期の「大学生」に比べれば、現在の「大学生世代」のうち当時の大学生と同じ割合ぐらいの人々は、よっぽど危機感を持って勉強している気がするのだが。)

追記;
まさか教育界に「金のことを教えるなど汚らわしい」といった偏見があるわけではなかろうが、ぜひ、義務教育段階でこうした金利の計算が全員できるよう になるような教育を行っていただきたい。
日教組なら、ありそうな話です。

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