2009/10/26

日本人のハビトゥスと国際協力

仕事の文化を伝える
直線・直角  ブログ『コートジボワール日誌』より 
(一部抜粋させていただきましたが、是非上記2エントリー全文読んでみてください。)
 ルワンダ難民救援隊は、自らの駐屯地の整備のために、パワーショベルなどの建機を何台か保有していた。それで、よく国際機関や地元から、土木工事をやってほしいと頼まれる。ある日、難民キャンプの一部に、排水溝を掘ることになった。
 工事を行うのが自衛隊の精鋭たちであるから、排水溝は、もちろん直線・直角で完成した。ゴマの人々は、「水がちゃんと流れる」と感心している。排水溝が水を流さないでどうするか、と思うのは日本人だからである。人道危機の現場などでは、円滑に水が捌けるかどうかに頓着せず、ただ溝を掘って事足れりとする場合が多い。しかし、自衛隊はこんな僻地の混乱の中でも、きちんと測量をし、図面を描いて工事にとりかかったのである。そしてゴマの人々が感心したのは、出来栄えだけではなかった。
 「自衛隊員は、約束の時間にちゃんと来る。日程通りに作業を進める。そして期日にちゃんと作業を終えた。」
 人々はそういって感心した。そして何より驚いたのが、難民たちへの接し方であった。溝を掘るためには、溝の経路にあたる場所にテントを張って住んでいる難民たちに、退いてもらわなければならない。自衛隊員たちは、難民たち一人一人を訪ねて、まことに申し訳ないが、と事情を説明して退去をお願いした。別の土地を整地して、移転先を提供した。
 どれもこれも、日本人の私たちには当然のことである。日本国内そこかしこの工事現場で、ご迷惑をおかけします、と頭を下げている国民なのだ。しかし、この難民キャンプでは当たり前ではない。欧米系のNGOだと、溝を掘るといえば、いきなりブルドーザーを持ってきて工事を始める。溝の経路にあたった不運な難民は、荷物をまとめて逃げる。そういう出来事が、日常であった。だから皆、驚いた。
 私たちが意識しようがしまいが、誇ろうが誇るまいが、世界中の人々が、日本人の仕事のやり方、世間への接し方に、強烈な印象を受ける。そしてそれが次第に、日本への好意、さらには尊敬に変わっていく。

 ブログ『コートジボワール日誌』の筆者は在コートジボワール大使岡村善文氏とのこと。
日本人の現役大使がその活動や思うところを日々ブログでつづる、ということ自体、新しい時代の流れを感じる。
確か、雑誌か何かで読んだのだが、かつて大使は「あがり」のポストであったのだが、これからの時代、大使経験者にも外務省に戻って活躍してもらおうという人事改革の一環で、大使としては「若手」で起用された方らしい。

 今回、取り上げさせていただいた記事は、海外で活動する自衛隊が、時間を守る、礼儀を正すといった日本人として当たり前だと思っているような価値観、その「活動振り」が現地の人々に影響と感銘を与えた、という話。

 蛇足になるが、麻生元首相の著書、『とてつもない日本 (新潮新書)』の中でも似たようなエピソードが紹介されていた。
若干、記憶が曖昧だが、確かインドかどこかを、麻生さんが外務大臣だった折に訪問したところ、その国の地下鉄建設に関わった日本の民間企業が、定刻通りに仕事を始め、納期を守り、礼をもって人と接する姿に、「仕事のやり方」を教わった、と感謝された、という話だったと思う。

 類似のエピソードは様々なところで聞くし、海外で生活を送っていると、日本の常識が通じないことに、驚くことも多いので、逆に実感されるところである。
 こうした美徳は、知らず知らずのうちに体得されるものであるし、受け継がれていく文化であるが、意図的に大切にしていきたいとも思う。
「昨今、こうした日本人の美徳が失われつつある」というような主張は、古代エジプトの碑文にすら書かれていたという普遍の真理「最近の若者はなってない」、と同じくらい怪しいとは思うのだが、良し悪しは置くとして、世代ごとの風潮は確実に違うし、社会の雰囲気は世相によって変化するのは確実で、ここ20年不景気が基調として続き、閉塞感が渦巻く中では、危惧しなくもなくもない。
 日本社会において自然と培われてきたものであるにしても、海外との比較のなかで、自覚し、それが美点と認識されるのであれば、それらを育むよう意識的に取り組んでいくことも大事ではないだろうか。

 もう一点、自衛隊の海外協力の在り方についても示唆に富む話である。自衛隊には武器の制限がついて回る。
 武器が使えない中で、どのような形で国際貢献が可能か。
 本記事では、自衛隊の「規律」が成功をもたらした事例として良いことであるが、これが全ての場合に適用できるわけではないだろう。
 自衛隊を海外に出すのであれば、ある程度の覚悟をせねばならないし、あるいは、危険地には出しませんが、とした上で、上述のような日本の良さを生かせるような国際貢献を前面に出していくのか。
 単に「燃料補給もうしません」と言っているだけでは、どうしょうもないでしょう。(ちなみに、燃料補給に対する諸国の評価は、少なくとも日本で報道されているよりは、よっぽど高い、ようです。個人的には基本的に賛成です、危険の程度と得られる評価等を勘案すれば。)
 確たる信念と明確な国益を踏まえた国際貢献の理念、国内の合意をもとに送り出されるならまだしも、政治に振り回されるだけでは、派遣される方々も、たまったものではないでしょう。

2009/10/25

小室哲哉『罪と音楽』



詐欺事件での逮捕を契機に、小室哲哉がデビューからこれまでを振り返りつつ、その心情を纏めたエッセイ。
裁判の過程を追いつつ自らの胸のうちを吐露する流れをベースに、自らの音楽論を織り交ぜて語っている。

一見、出版の時期的にも、事件に関しての自己弁護、あるいは自己批判の類の本かと思われそうだが、
事件自体について委細に語るものではなく、寧ろ、自らの主観を客観的に描く自省の書といった面持ち。
通底しているのは、音楽に対する真摯な思いであり、本書を通じて、自らそれを再確認しているようだ。
階段を上り詰めた天才が坂道を転げ落ちる、その過程の内面を読む、という意味で非常に興味深い。

或いは、音楽に関心がある人には、ユニークな音楽論の本としても楽しめるだろう。
70年代から00年代までの音楽の変遷、その過程での文化や風潮の変化、技術の進歩。
70年代以降の世代では、ゲーム等を通じてクリック、一定のリズムを感じる意識が自然と染み付いているとの指摘や、時と共に曲や詩に込められる意味の増加・加速化、或いは、過度の幼稚化傾向、また倍音の含み具合で決まるボーカリストの資質としての声質の話など、非常におもしろかった。
ミスチル、B'z、宇多田ヒカル、コブクロ等など、様々なアーティストの評、またはそうしたアーティストとの音楽性の関係にも触れている。

小室さんは本書の中で自らを「音楽家」あるいは「"大衆"音楽家」と自己定義する。
作曲するとき「曲は空から降ってくるもの」という一方で、その精緻なマーケットの分析、時代の潮流を読むセンスは驚くべきもので、「売れる」音楽を創り出す天才でもあった。
音楽が全てである喜びと同時に、ヒットを次々と世に送り出してきたまさに絶頂の時代に、強迫観念に似た何かに苦悩する様子も描かれる。
やはりそのアンバランスの中に今回の事件の下地があったのではないだろうか。
よくある「芸術と金」の陥穽にはまってしまっただけ、とか、「芸術家は自己管理ができないから」などと言ってしまうのは簡単だけれど、一人の芸術家が葛藤した軌跡の手記はリアル。

最後の今後の展望に(若干実現困難そうな構想を明らかにしていて、大丈夫か、とも思うのだが、)希望を抱かされる。
新しい小室さんの音楽が聴ける日が楽しみだ。

2009/10/23

低所得世帯私立高授業料無償化?

授業料、私立高も無償化 文科省要請へ、低所得世帯対象に NIKKEI NET
文部科学省は23日、私立高校の授業料について年収350万円以下の低所得世帯が都道府県の判断で無償化できるよう総務省に求める方針を固めた。来年度から公立高校の授業料が実質無償化されることに伴うもので、同日中に総務省に提出する「地方財政措置要望」に盛り込む。
 これまで公立高校の授業料減免などに全国の自治体が負担してきた経費は年約300億円あり、国が相当額を交付金として手当てしていた。公立高校を無償化すればこの経費が不要となるため、私立高への授業料減免に転用することができると判断したという。
 文科省は来年度から公立高の世帯を対象に授業料相当額(約12万円)を間接支給する。私立高生の世帯にも同等額を支給し、年収500万円未満の場合は約24万円に増額する計画。私立の授業料平均が約35万円と高額でさらなる支援を求める声が出ていた。 (16:00)


意味がわからん。
そんな余剰金があるなら、公立高校の施設と教育の質の向上に使えよ。
公立の質を高めて、私立より公立、と思われるくらいにするのが先なんじゃないの?
これ、どっからどういう圧力がかかってんのかなぁ。
私立側からしても、国から、間接的とはいえ、支援受けることになって、特色が失われないかとか、国の影響が大きくならないか、とか不安だと思うのだけれど。
少子化でそんなことも言ってられない?そんな理念がないなら私立なんてやめてしまえばいいのに。
いいんだよ、独立不羈のための結果として私立が金持ち学校になるのはさ。
金がないなら公立行けよ。

因みに私は小学校から大学まで全て公立なのだけれど。

何やら、国民生活のいろんな側面で国家からの干渉がますます強まる傾向にある気がしています。
国家の発展段階を考えるとき、成熟期に(衰退期にはいりつつ?)ある日本でのこの風潮はあまり好ましいと思えないのですが。

2009/10/22

概算要求 約94兆円

ねぇねぇ、民主党ってさ、無駄をばっさばっさ省いて、予算を捻出してくれるのではなかったっけ?

国の借金が約800-900兆円、国地方併せて1000-1100兆円。
参考;財政赤字カウンター
日本人の個人資産が1400-1500兆円ぐらいで、
売却可能な国有資産が300-400兆円ぐらいでしたっけ。
特別会計に埋もれる「埋蔵金」とか、隠れ借金とか、個人資産が何の目安になるのかとか、細かいことはありますが、
ざっーーくり考えて、まだ暫くは大丈夫?てことは、暫くしたら、もうまずそう。

年金とか保険とか経由して、債権にお金が回ってるから、取り敢えずまだ低い国債の金利が上がったら、たまんないっすね。

日本の国債は国内で買われてるから、国家破綻は起きない!という主張がありますが、まぁ、それはそうなんでしょう。
破綻=デフォルトする前に、ハイパーインフレが起きて、借金目減りしますから、円建てで債権が出されている限り。
債権の保有者が大損するだけですね、
その債権の保有者は年金とか保険とかで、そこにお金を出しているのは・・・。

さて、やっぱ、ユーロにしとくべきかなぁ。
ドルは中長期的には絶対下がる、気がするし、ルーブルに期待したいのだが、ちょっと、リスク(分散)が大きすぎる気もする。
株は株でリスクが大きいですが、インフレに対しては債権よりも強いかな。

・・・って、悩むほど資産があったらなぁ。

2009/10/20

宅配便

宅急便はあくまで、ヤマト運輸の商品名なので、サービスの一般名称としては、宅配便です。

さて、アメリカと日本のアマゾンで買い物をしたんですが、
1)日本のアマゾン(Amazon.co.jp)の配達履歴
2009/10/14 --- IOWA CITY IA US 配達完了
2009/10/14 --- CEDAR RAPIDS IA US お届けできなかったため、持ち帰りました
2009/10/14 --- CEDAR RAPIDS IA US 配達中です
2009/10/14 --- CEDAR RAPIDS IA US お近くの配達店まで輸送中です
2009/10/14 --- MEMPHIS TN US お近くの配達店まで輸送中です
2009/10/14 --- MEMPHIS TN US 通関手続きが終了しました
2009/10/13 --- TOKYO-KOTO-KU JP お近くの配達店まで輸送中です
2009/10/13 --- TOKYO-KOTO-KU JP 配送センターから出荷しました
2009/10/13 --- --- 配送センターから出荷しました
※品物は書籍。一度は持ち帰ったとありますが、結局家のドアの前に放置されてました。
(受取サインしてないんですけど、国際配達でも書籍だけだと必要ないのかな。)

2)アメリカのアマゾン(Amazon.com)の配達履歴
October 14, 2009 03:14:00 PM IOWA CITY IA Delivery attempted
October 14, 2009 03:14:00 PM --- Available for pickup
October 14, 2009 03:09:00 AM IOWA CITY IA Arrival Scan
October 12, 2009 01:13:00 PM --- Arrival Scan
October 9, 2009 12:15:00 AM --- Arrival Scan
October 6, 2009 07:48:00 PM --- Arrival Scan
October 6, 2009 08:13:44 AM Whitestown IN US Shipment has left seller facility and is in transit
※品物はDVD、結局、郵便局まで取りに行きました。
(これも受取サイン求められなかったんですけど。家の前に放置しなかったのはDVDだから?値段の総額はあまり変わらなかったのだけれど。)

日本のアマゾン、まじすげぇ、日本からなのに、発送日の翌日には配達されてる、いくら14時間の時差を考慮しても。
アメリカのアマゾン、まじすげぇ、国内なのに、1週間以上かけて配達している
あ、いや、もちろん宅配業者の問題なので、アマゾンの問題ではありません。


更に、経験した範囲で、勝手に印象半分に宅配便の比較すると、
・東京;不在だと何度でも配達してくれる、配達時間指定可。
・アイオワ;不在だと3回まで配達してくれる、が、配達日は勝手に向こうが指定している。こちらが配達日などを指定する場合、追加で5ドル、かつそれでも細かな時間指定不可。
・モスクワ;先に運転手から電話がかかってきて、直接時間を決め合える、が決めても遅刻も多い。

もちろん業者の差のほうが大きい、例えば、モスクワの場合、上記のはDHLか何かのサービスで、郵便局だと届かないとか普通なレベルですから、これを一般化はできませんが、なんとなく、これ、3国のメンタリティが良く出てると思う。

アメリカ、って、サービスの質は良いのだけれど、妙に杓子定規なところがあって不便がある気がする。
ロシアって、基本、全てがいい加減なのだけれど、時折逆にそれが、便利なときもあったりするわけで。
結論としては、日本最高、ということで。

2009/10/18

Darker than Black 2nd 第2話につっこみ。

Darker than Black 2ndシーズンの第2話のEDのクレジットのロシア語に一応、突っ込みいれときます。


"Близнецы и иадающая звеза"
そのままпадающая звездаと書くのは忍びなかったんですね、
決してиとпがちょっと似てたとか、д見落としたとかではないですよね、わかります。
更に「流星の双子」は直訳するとБлизнецы падающей звездыですが、奇を衒ってわざわざ「流星と双子」にしたんですね、よくわかります。

"Темнее чёрного"
問題ないんですけど、ただ、blackが名詞でも使えるのに対して、черныйは名詞では使いにくい(名詞で使うと喪服とか特定の物のイメージがある)気がするので、個人的にはчёрного цветаとしたくなります。ちょっとこの辺の感覚はまだ未熟で良く分かりません。ロシア語分かる方、どうですか?
しかし、ロシア語の監修いないんですかね、こんな初歩的なミスをするなんて!
いないならわざわざロシア語のタイトルなんか使わなきゃ良いのに。
DVD/BDではちゃんと直るんでしょうか、買わないけど。
まぁ、外国の映画やドラマで日本的なものを登場させて、日本語間違ってる、なんて、姿は良くありますが、逆もまた然りということですね。
こういう細かいところ、気をつけたほうが良いと思うんですけど。
"перегрузка"と"перезагрузка"とかね。

2009/10/15

民主党。

出典は2chでしょうか、よくわかりません。
孫々引きになりますが、奇知に富んでいたので、メモ。
このサイトから。

99 :名無しさん@十周年:2009/10/15(木) 10:28:18 ID:TvMvbSWl0
<選挙直後>↓に向かって読んでください

民主党:待ちに待った日がやってまいりました!
有権者:在日に選挙権をあげたりする?
民主党:そんなことはありません!
有権者:財源はちゃんと確保されてるんだよね?
民主党:当然です!
有権者:投票した人たちを裏切ったりする?
民主党:いいえ、決してそんなことはいたしません。
有権者:景気をよくして雇用も所得も増やすんでしょ?
民主党:もちろんです。どんどん増やしますよ!
有権者:赤字国債は発行するの?
民主党:永遠にありえません!
有権者:日本人が住みやすい国にしてね

<選挙45日後>↑に向かって読んでください


こういうの思いつく人、本当に尊敬する。
頭の構造どうなってるんだろ。

民主党さん、大丈夫でしょうか。
まぁ、改革に向けて試行錯誤するのは良いことでしょう。
現状の変革は、必ずどこかの(既得権益者の)反発を生みます。
つまり、総和でのプラスを増やすために、どこかのセクションは現状よりマイナスにならなければならないわけです。
というわけで、千葉県民には申し訳ありませんが、羽田のハブ空港化には賛成です。

2009/10/10

2020広島オリンピックに期待。

V作戦 覚悟を問う(8)-オリンピック招致-
・・・では、「環境」以外に日本がオリンピック招致においてアピールすべき「理念」とは何だろう。それはやはり「平和」ということではないだろうか。オバマ大統領の「核なき世界」構想もあり、いま非核化の論議はかつてない高まりを見せつつある。一方で核拡散には歯止めが利かず、なし崩し的に核兵器が拡散しつつある。日本は唯一の被爆国だ。世界に向けて平和をアピールするのは日本しかない、くらいの気概を持つべきだと思う。

2020年オリンピック。日本からは広島が立候補してはどうだろうか。広島は1994年にアジア大会も成功させており、立候補の資格は十分だろう。ただ、今のオリンピックは莫大な金がかかるため、広島単独での開催は難しいかもしれない。そこで長崎、沖縄でも分散開催する。オリンピック開催は「都市」であるということだが、それなら2020年だけ特別にルールを変えればいい。水泳は沖縄、陸上は広島、球技は長崎。男子マラソンは広島、女子マラソンは長崎。マラソンコースに広島の平和記念公園や長崎の平和公園を組み込み、世界中の人に被爆都市のいまをテレビでつぶさに見てもらい、平和について考えてもらう。これ以上の「平和の祭典」はないかもしれない。

(中略)

広島や長崎、沖縄での開催は「平和」という理念を色濃く反映できる一方、その理念にある種、重苦しいものも感じる人もいるだろう。米国はじめ反対する国が出てくるかもしれない。日本人の中にも眉をひそめる人もいるだろう。しかし、成熟国家となった日本がオリンピック開催を通して世界に向けてアピールすべきものは、ある意味、こうした重いものである「べき」かもしれない。


2016東京五輪、開催ならず、ということで、まぁ、評価は色々あるかと思いますが、落選、残念でした。
で、6日付の上記の記事を読んで、確かに、と思いました。
いずれにせよ、オリンピックに政治の影は付きまとうわけですが、こうした「理念」が打ち出せるかどうか、はいずれにしても大事ですよね。
「南米初」に「環境」じゃ、ね。
まさに「平和の祭典」に「平和」をテーマにしたオリンピック、って素晴らしいアイディア、
一昔前のアメリカなら絶対許さなかっただろうけど、オバマ大統領のもとなら、或いは。
とは言え、反発は色々あるでしょうから、難しいだろう、と思っていたところ、

NIKKEI NET 20年五輪に広島名乗り 長崎と連携、招致へ
広島市が同じ被爆都市の長崎市と連携し、2020年夏季五輪の招致に向け検討を始めたことが分かった。11日、両市長が広島市内で発表する。近く招致の検討委員会を設置し、日本オリンピック委員会(JOC)と協議を始める。核兵器の廃絶を訴える広島市が五輪の開催都市に正式に名乗りを上げれば、世界的にも注目を集めそうだ。


世界へのアピールという意味で、立候補するだけでも意義があるし、実現して欲しいですね。

『東京マグニチュード8.0』


私、少々(?)アニメを嗜むのだけれど、
最近のアニメのなかで2番目に素晴らしかった作品。
『東京マグニチュード8.0』(公式サイト)

夏休み、お台場に来ていた中学生と小学生の姉弟が、大地震に遭遇。
お台場から世田谷まで、崩壊した東京の中を徒歩で帰宅する数日間を描いた作品。

人物の絵が微妙かなという印象で、当初は期待してなかったんですが。
緻密なシュミレーションに基づいた、地震後の東京の描写はリアリティに溢れ衝撃的。知ってる場所柄なだけに、もし本当に地震が起きて、こんなになったら・・・と想像させられてしまった。
東京で働いてた時に、何度か歩いて職場から帰宅したことがあるんですが(意味不明ですね、よく言われます)、本主人公の歩いた距離の2/3くらい、3時間くらいかかったかな。あの街並みが、ここに描かれているように崩壊すると思うと・・・。
それから、自分の立場でこういう状況に巻き込まれたら、どうするか、シュミレートしておく良い機会になるかもしれません。

それと、行政の対応の様子、避難所の様子、救助活動、ボランティアの活動、復興への動き、そんなところも、恐らくシュミレーションの上での現実に即したであろう描写、が垣間見れる。
大地震に多くの人が犠牲になっているわけだけれども、それでも生きていく人々や、平時では言葉を交わすことがなかったであろう人々の関わり合いもテーマの一つでしょう。

単に作画とリアリティを追求しているのみならず、中盤冗長な感じもなくもなかったが、作品としての全体のストーリーも練られていて、物語としての質も高いです。
結末の意外な展開に、最終話には不覚にも号泣しました。


なお、物語中のニュース・キャスターは滝川クリステルご本人です。

2009/10/06

くだらぬテレビつけっ放しで 明け方近くに思いついたのは

メールマガジン;国際派日本人養成講座よりNHKに巣くう報道テロリスト

元の番組。
NHK Special 「JAPANデビュー アジアの一等国」

wikiより。


これって、1万人の集団訴訟にまでなってるらしいですね。
日本では話題になってるんでしょうか。
と書いていたらタイムリーに産経に記事発見。
「偏向報道」抗議者に「不問」求める 訪台のNHK番組関係者

しかし、NHK、いい番組もいっぱい作っているのに、大変残念。
なんで、中国が絡むとNHKのみならずですが、一部マスコミは過度に偏向するんでしょうかね。

きっと負の側面だけ集めるとこういう報道になるんだろうなぁ。
そもそも、他国を占領したわけなので、それがどんなに好意的な統治であれ必ず摩擦は起こるわけです。
例えば、国どころか、二つの市町村が合併しただけでも、起こる場所では諍いが起こるでしょう。
まして言葉や文化、宗教が違えば言わずもがな。
占領行為そのものの是非の問題もありますな。
他方で、台湾には帝国大学を設立したり、インフラの整備が急速に進んだりと、発展に寄与した政策もあるわけです。
実際のところ、どのような統治が行われたのか、同時代を背景とした他国と比べてどうだとか、正直よくわかりません。
全体像を捉えて、総体として評価する、なんてことが何処まで可能かどうかすら定かでないですが。
それは専門の歴史家の皆様に負うとして、
報道の仕方、という意味で、どちらの側面にもフォーカスをあてることは可能で、それ次第で全く違う報道になるでしょう。
或いは、意図と信念を持って偏向する、「ここはこういう側面から」と前置きして報道するなら、それでいいとも思います。
というか、個人的にはマスコミって、もともと偏向しているものでしょ、と思うわけで。
寧ろ、報道は公平であるべき、なんて感覚がナイーブ過ぎる。
事実を追い求めて、それを報道する中で、如何に公平を期そうとも、何を取材し、どんな切り口でとりあげて、どう組み立て、報道をするか、そこには常に選択があって、選択には価値観があるわけで、究極的にはジャーナリズムは公平を期しつつも自らの良心に従って、信ずべき報道をするしかないわけで、その結果として偏向することはありうべきでしょう。

この放送も、実際観ると、全体として、どっかのプロパガンダな報道よりは、まだしも、かとも、
あちこちで文章で批判されている記事ほどには酷くはない、ように感じましたが、
問題は明らかに一線を越えている部分があることでしょう。
「日台戦争」って一体・・・。
日台戦争
それと取材対象への信義の問題は大きいでしょうね。
ていうか、NHKがこれやっちゃだめでしょ、受信料集めてるんだし。
ジャーナリズムが超えてはいけない一線、捏造しちゃ駄目でしょ、そりゃ報道以前の問題です。

それと蛇足ながら、この番組がどこからどんな力を受けているのか、いないのか、知りませんが、
日本も外国でのマスコミ「工作」に力を入れるべきじゃないでしょうか。
日本の潔癖主義も個人的には好感ですが。
海外のメディア戦略にお金つぎ込んでいいんじゃないですか。
「カワイイ大使」とかいってないで。

2009/10/01

河野議員のブログから

自民党はなかなか変わりませんな。
細かくはフォローしてないのだが、総裁選で小気味よい発言を連発していた河野議員のブログから
「みんな」とやろうぜ!?
みんなの党の国対委員長からメモ。
「谷垣さんはみんなでやろうぜとおっしゃっていますが、河野さんは『みんな』とやろうぜ、でどうでしょうか」。
あのね...。

うまいこというね、個人的には是非、そうなって欲しいです。
みんなと自民の若手中心に政界再編とか。

自民党には再起を期待したいところですが、今回、河野さんが選ばれなかったようではもう駄目でしょう、旧態依然とした体質から抜け出せず、次の参院選も期待できません。
民主党が自滅して支持を失い、アンチ民主のオルタナティブで票を集めることはあるかもしれませんが。
今回の衆院選もそうですけど、現政権への批判として票が集まるのは、その党への支持とは違います。
その意味で郵政解散の小泉首相時の大勝と今回の民主の大勝は別物。
逆に言うと、大風呂敷を広げに広げたマニュフェストに拘る必要は実はあまりなくて、個別の政策で批判のほうが多いなんてものは、どんどん取り下げたほうがよいかと。
まぁ、どの道、民主党政権が4年間続くのだから、参院選にも勝って、とっとと連立解消したほうが安定感はますかもしれません。

いずれにせよ、否定的な理由でなく積極的理由で投票できるような政党がでてきて欲しいものです。